
ひょんなことから、仕事のお知り合いの方が乗っていたKTM RC390を譲っていただくことになった。2014年式の初期型である。2014年といえば、ホンダはCBR250RR(MC51)を発表したり、ヤマハがYZF-R25を発表したり、にわかに中型スポーツの復権の兆しが見えた時代。そのきっかけを作ったのはカワサキninja250Rだが、KTMもスモールデュークやRC390でいち早く中型市場へスポーツバイクを投入していた。
KTMはオーストリアのバイクメーカーだが、俗にいうこのスモールKTMシリーズはインド製。インドの二輪大手バジャジ・オート(Bajaj Auto)製である。「インド製ってどうなんだ?」とは正直思った。
ただ、スペック的には44馬力で半乾燥重量は147kg。このスペックはかつての80年代90年代のレプリカ250に近い。「ああ、これは好みにあうかなぁ」と漠然と思っていたのが、自分のなかで車両を譲っていただいた理由ではあったと思う。
前オーナーは社会人で初免許を取られた方で、いきなりバイクにハマり、社会人パワーが存分に投入されていた。前後サスはWPのプロダクションレース用、バックステップ、大径ディスク、マフラー、大型スクリーン、コンフォートシート、フェンダーレスキットなどなど……。チューンという意味とは違うと思うけど、およそ変えられるパーツはほとんど変えられていた。
ただ問題だったのは、この年代のRC390のマフラーはすべて車検非対応。この車両についていたのもKTMのパワーパーツ(純正のチューニングパーツ)もアクラポビッチだったが、車検は非対応だった。これがのちのち大変作業を足を引っ張ることになるとは……。
車でもなんでもそうだが、外車というのは国産車の構造からセオリーが違う事が多い。RC390もご多分に漏れず、「何この構造……?」と思う事が多かった。バッテリーがタンク前にあったり、シートカウルという概念がなかったり。なかでも困ったのがマフラーの取り回しだった。


マフラーの取り回しは、エンジンの左側を通ってエンジン後部とリアホイールの間に触媒とサイレンサーがある。リアステップの下あたりに排気口があるという妙竹林な構造だ。
普通にフランジを外してマフラーは抜けない。いや、社外のアクラは触媒がないのでスルッと抜けるのだが、純正マフラーがとにかく入るクリアランスがない。まるで知恵の輪のように、「あーでもないこーでもない」とやってみたのだが、どうにも入る気配がない。「これ、そのままじゃ入らないんじゃ……」と気づくまでには発想の転換が必要であり、相当な時間がかかってしまった。
(続く)

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